秘密の花園〜あたしとハウスマヌカンと、ときどきおばちゃん
何を隠そう
若い頃のあたしは
アパレルの女だった。
そう
人呼んで
（誰も呼んでへん、呼んでへん）
あの一世を風靡した
伝説のハウスマヌカンだったのだ。
ハウスマヌカンとは？
いまで言う
ショップ店員？
カリスマ店員？「そら、ないかっ💦」
まあ、そんな感じかなぁ〜。
んー、ちょっと違うかぁ！？
（どっちやねん？！💦）
って
ひとりツッコミは
さておき
とにかく
当時は、
♬夜霧のハウスマヌカン♬
とゆう歌も
流行っていたくらい
ハウスマヌカンとゆう
ワードの
認知度も高かったし
オシャレ好きな若者にとっては
憧れの職業のひとつだった。
その曲とゆうのは、
ザッと説明すると
オシャレをする為に
食費を削って
服ばっかり買いまくり〜の
お金もないのに
見栄をはりぃ〜の
みたいな
まあ、ハウスマヌカンを
軽ぅ〜くいじったような
内容の歌。
でも、実際のところ
おいしいとこばかりで
そんなでもなかった…
少なくともあたしの場合は…
今から思えば、お給料も
二十歳そこそこの割に
ビックリするくらい
もらっていたし
（当時の誰もが知ってるDCブランドを山ほど抱えていた、超儲かっていた会社にいたからかも？）
服の値段は
今よりうーんと
お高かったが
販売員は、半額以下で
買えていたし
セールの時期ともなれば
タダ同然（それは、言い過ぎかっ💦）
の値段で買えた気が…
とりあえず、お給料から
服代を差し引いても
結構な金額が残っていたのは
確かだ。
それに、ボーナスも年に
3回きっちりあったし
嫁入り資金の為の
貯金まで出来た。
まさに時代は、バブル〜全盛期✨
今より
0がひとつもふたつも
多い金額にも
かかわらず
今とさほど変わらない
素材やデザインの洋服や靴が
飛ぶように売れていたのだから
当時のアパレル会社が
いかに
抜いとったのかが
よくわかる。💦
セールの初日なんて
ファッションビルの入り口に
今では考えられない人数の
若者が
前日から並んだりしたもんだ。
かなりエグい💦
しかも
そんな思いをして
セールに一番に入れる切符を
手にした第一陣は
世にも恐ろしい
鬼👹のような形相をして
セール会場であるショップに
全速力で走って来るもんだから
あたしは、セール期間が
大嫌いだった。
セールの対応に疲れた
あたしは
よく頭が痛いだの
お腹が痛いだのと
なんだかんだと
仮病を使って
医務室のベットへ寝に行った。
（百貨店にショップが入ってたので
医務室もあったし、ベットもあったのだ！）
ある程度の時間がたつと
決まって
「大丈夫〜？」と言って
店長が迎えに来る。
小さくチッと
舌を鳴らして
「大丈夫ですけどぉ〜💦」
としんどそうな声で
返事をしてはみるものの
そうはうまくいかない。
店長の巧みな
話術に負けて
泣く泣く
ショップに連れ戻される。
たぶん、店長はいい人だったので
あたしの仮病を見抜いてたんだろう。
同じ会社同士のマヌカンたちは
ショップごとに
誘いあって
休憩に行く。
それは、今も昔も同じかな？！
先輩も後輩もごちゃ混ぜで
ド派手な軍団が食堂で食事をし
その後、表の喫茶店（カフェではなく、昔ながらの喫茶店） で
お茶を飲むとゆう
パターンが決まっていた。
またまた、あたしは、そのパターンが
大嫌いだった。
ショップ内でいろいろ気を使って
仕事をしてるのに
なんで休憩時間まで
気ぃつかわなあかんねん？
このような子供じみた理由で…❗️
あたしは、この頃から
自分を前面にだす
KYなワガママで
協調性のない
いやな奴だった。
とりあえずは、
食堂までは、付き合う。
しゃーなしに。
（何様やねん？💦）
食べ終わったら、
「用事がありますんで」
と
ド派手なグループを
こっそり抜け出て
向かうその先は…
おもに地下の食料品売り場の
おばちゃんのたまり場！
座椅子がいくつも置いてある
20畳くらいの和室の休憩所だ！
しかも、テレビも完備されている。
誰が決めたか
チャンネルも年中
8チャン（フジテレビ）
と決まっている
そこで
おばちゃん達は
笑っていいとも
ごちそうさま
を立て続けに
大口を開けて
笑いながら見たあとに
お待ちかねの
お昼のメロドラマを
心ゆくまで
堪能するのである。
あたしは、ほぼ毎日
当時60円（安っ）で売っていた
自動販売機の
砂糖がたっぷり入った
コーヒーを握りしめて
その和室に通いつめた。
地下のおばちゃん達に混じって…
地下のおばちゃん達は、
はじめは、ド派手なアパレル女
の登場に
度肝を抜かれた様子で
あたしのことをやたら
ジロジロ見ていたが
やがて
それにも慣れてくれ
いつのまにか
常連のおばちゃん達と
軽く挨拶だけする仲から
最後には
あたしの座椅子を確保
してくれるような仲に
ステップアップ
していったのである。
あたしは、若干、二十歳にして
オシャレなチームに
身を置くことを拒否し
地下のおばちゃんのチームを
自ら選んだのだ。
そのチームは
全く気を使うことも無ければ
人の事にも興味がない。
唯一興味があるのは、
今後のメロドラマの行く末だけだ。
あたしは、そんな雰囲気のなか
目覚まし時計を片手に
休憩時間ギリギリまで
昼寝をし
昼からの体力を温存して
ショップに帰っていった。
あたしは、密かにその和室を
呼んでいた。
あたしにとって
ハウスマヌカンとゆう
過酷な女の世界を生き抜く為の
唯一の
息抜きの場であり
癒しだったことは
間違いない。
そんな毎日を送っていたある日
ハウスマヌカンの先輩の一人に
颯爽と入ってゆく
あたしの姿を
目撃されてしまった！
たちまち噂は広がり
あんなところに
出入りしている
あの子はかなり変わっとると
注目の的となってしまった！
しかし
魂をとっくの昔に
愉快な
おばちゃんたちに
売ってしまっていた
あたしにとって
そんなことは
痛くもかゆくもなかった。
むしろ、なんで変わっているのか？
意味がわからないとも思っていた。
そもそも
オシャレな人の
ふりをするのにも
疲れていたし
実のところ
中身は
食いしん坊で
口を開けば
芸人気質バリバリの
THE 関西人だった。
そーだ冒頭で
あたしだけは
違うと断言したが
やっぱり
あたしも
無理をしていた
夜霧のハウスマヌカンの
ひとりだったんだ！
歌の歌詞に出てくる
ハウスマヌカンとは
少し質は違えど
絶対あたしも
夜霧っていた💦
きっと
世間一般の人たちは
ハウスマヌカンたる者❗️
すべてがオシャレな
毎日を過ごしてるんだと
勘違いをしていただろう。
毎晩
おしゃれなカフェバー
とやらで
見るからに
怪しげな業界人や
街で幅をきかせてる
遊び人たちと
一杯ひっかけ
その後
ディスコで踊り狂い
翌朝は
なぜかニ日酔いで
朝を迎え
気だるそうに
髪を掻き分けながら
アンニュイな気分で
コーヒーを飲む。
そんでもって
隣には
三上博史みたいな
トレンディー代表みたいな
彼氏がいて
「おはよう」と
（メンソールのタバコ
吸い過ぎちゃうんかい？）
みたいな
ハスキーボイスで
ささやきあう…❤️
素敵〜
憧れちゃうわん❤️
なぁーんて
想像しながら
羨望の眼差しで
あたしのことを
見てただろう。
（自画自賛にも、ほどがある💦）
でも実際のところ
オシャレな世界に
イマイチ馴染めず、
先輩のご飯会や飲み会も
すべて断り
こうやって毎日
おばちゃん達と戯れ
お金もさほど使わず
夜中に
たまってゆく通帳を見ては
にんまり笑うなんざ
安モンのホラー映画より
怖いやないかいっ？💦
世間のみなさま
期待を裏切って誠に申し訳ないっす💦
この場を借りて
謝罪せねば…
所詮
蓋をあければ
みんな普通の一般ピーポー。
おしゃれ人間だと見せかけて
あの業界は、田舎もんも多かった！
（大暴露💦）
みんなどーしているのかなぁ〜〜
たぶん…
会わないほうがいいのかもなぁ。
思い出のまま美しく
あたしの胸に
そっとしまっておこう〜
あっ
マヌカン仲間やない
おばちゃんには
会ってみたいなぁ〜
どーしてはるんやろう〜
ひとつ訂正❗️
このブログの
お題は
あたしとマヌカンと
ときどき
おばちゃん
だったが…
あたしとおばちゃんと
ときどき
の間違いだった！爆笑笑
さぁ
そろそろお昼だ！
シャケ弁当を
買いに行こう。
食べたら
ソファーでお昼寝タイム。
結局
あの頃となんら
変わっていない。
今宵は
ひとりカラオケでも
行きますかっ！
一番はじめに
歌う曲は
もちろん
♬夜霧のハウスマヌカン〜♬
今日も
はりきって
いきましょい❤️
